こんにちは、農家のmiyakoです。
農業における苗作りは「苗半作」という言葉がある通り、その作の全てが決まってしまうような大切なものです。
専業農家であれば外注することもできますが、小規模多品目農家は臨機応変にいろんな種類の苗を一年を通して作り続けることもあります。
そんな苗作りについてまとめました。
基本の苗作り方法
苗作りは野菜の種類によって少しづつ変わります。
ここでは大きく葉物野菜と実物野菜について書いています。
葉物野菜
葉物野菜はセルトレイを利用して苗を作ります。
苗作り
【使うもの】
- セルトレイ
- セルトレイ培土
- セルトレイをのせる水稲パレット
- 穴あけ器
▼種まき方法
1.培土をセルトレイに詰める
撥水性の高い培土は水とよく混ぜてからセルトレイに充填します。
セルトレイに土を詰めたら、セルトレイの底から水が出てくるまで灌水します。
覆土用の培土は水と混ぜないようにしておきます。
2.穴をあける
穴あけ器で穴をあけます。
画像は手作りの穴あけ器で、木片に六角ねじをつけています。
3.種をまく
種をまきます。手でまいてもいいですし、厚紙と竹串などを使ってやるのもいいと思います。
種まきが終わったら優しく覆土して、覆土した土が湿る程度に灌水します。
4.覆土して積んでおく
芽が出るまで水分が蒸発しないよう積んでおきます。
積む方法だと暖かい下のセルトレイから発芽するので芽がもやしにならないように気をつけましょう。
同時に発芽させたい場合は平置きして反射シートをかぶせておくといいでしょう。
セルトレイの選び方
セルトレイ(穴) | 野菜名 | 1穴の播種数(粒) |
72 | ブロッコリー | 1 |
125 | キャベツ・レタス・ブロッコリー・実物 | 1 |
200 | 軟弱葉物 | 2 |
128穴をメインに200穴と使い分けます。72穴はほとんど使いません。
軟弱葉物は基本的に直播するものですが、育苗することで畑の回転率が上がります。1穴に2粒づつ播種している為、植えつけるときは株間をやや広くとるといいでしょう。
実物野菜
トマトやナス、ピーマンなどの実物野菜はセルトレイに播種してから、ポットに鉢上げして苗を作ります。
苗作り
【使うもの】
- 125穴セルトレイ
- セルトレイ培土
- 水稲パレット
- 穴あけ器
- 9cmポット
- ポット培土
▼種まき方法
125穴のセルトレイにセルトレイ培土を詰めて、1粒づつ播種します。
芽が出て根鉢が形成されたら、ポット培土を詰めたポットに植え替えます。
きゅうり以外は第一花が咲くまで育苗します。ピーマンは途中少し大きいポットに植え替えると根っこが増えていい苗になります。
培土の選び方
培土は自作する人もいますが、人手が足りないワンオペ農家なら購入した方が手間がかかりません。
セルトレイ培土は野菜全般に使える種類のものは大体1ヶ月で肥料効果がなくなります。ネギ専用は2ヶ月くらいです。
ポット培土は、野菜全般に使えるものの他にトマト用やイチゴ用が販売されています。専用培土は、その野菜に必要な栄養分を計算して作っているので専用品種を作る場合はこれらを利用するといいでしょう。
自作の安くて軽い培土の作り方はこちら。

季節ごとの苗作り方法
苗作りの時期が、適切な気温であるとは限りません。
春や秋は苗作りに適した気候ですが、夏や冬は少し間違えれば芽が出ないということもあります。
夏
夏に作る苗といえば、抑制栽培用のきゅうりやトマトなどの実物野菜の苗や、秋に植えるブロッコリーやキャベツの苗です。
【気をつけるポイント】
- 暑さによる徒長
- 日差しによる焼け
- 乾燥
夏の日差し対策
暑さによる徒長や日焼けは、日差しをある程度さえぎって対策します。
トンネル支柱と寒冷紗を使って日中10時~14時までは直接光が当たらないようにします。
夕方以降に水分が残っていると徒長しやすくなるので、水やりは12時~14時以降はしないようにするといいでしょう。
乾燥対策
夏場の水やりは朝に1回、昼頃に1回の計2回がベストです。
どの苗も乾かないようにしっかり底面まで水が来るように灌水します。
水やりの時間が取れない場合はタイマーを利用して底面給水装置を作るといいでしょう。

冬
冬は1月から春野菜や夏野菜の苗作りを行います。
もちろん何もしないで種をまいても生えることはないので保温が必要になります。
保温の仕方に関してはこちらに書きましたので参考にしてください。

まとめ
苗作りの方法は十人十色です。
私は培土を購入して使っていますが、ポット培土は籾殻くん炭でかさましして使ってたりしています。
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